聞くべき言葉も、語るべき言葉も、
これすべていのちの悲願である。

亀井勝一郎

この世に生まれ、何かに導かれるように生きる私たち。出会いは偶然でありながら、求めずして得られるものでもありません。「人間の心の底にはかならず先祖の亡霊が眠っている。」人世に漂うふしぎの叡智、千年の歴史を背負って人間は生きています。背後にあるものに支えられて生きる私たちは、その音声に鈍感であってはならないのです。

出会いと別れ、そして再会

偶然か、それとも必然か。現世で出会い、人生の時間を分け合った宿縁。幽明境を異にした今でも、故人の声はすぐそばで生き続けています。交わした言葉、ともに見た景色。思い出を忘れないでいることは、故人その人の願いでもあります。なぜ出会ったのか、その答えを探す旅に出かけませんか。

思い出供養 

第五章